QUICK ANSWER
先に結論
解体前に、要件を満たす調査者が文書調査と目視調査を行います。判定できない建材は分析または石綿含有とみなす対応を確認し、元請事業者から結果の書面説明を受けます。調査、分析、行政報告、除去・処理は別の工程と費用として確認します。
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80平方メートル未満でも、事前調査は必要
建築物の解体・改修工事では、工事の規模にかかわらず、作業対象部分の全ての材料について石綿含有の有無を事前調査します。「小さい家だから」「新しそうだから」「木造だから」という理由だけで、調査そのものを省略することはできません。
解体部分の床面積合計80平方メートル以上という基準は、事前調査結果を労働基準監督署と都道府県等へ電子報告する基準です。80平方メートル未満で報告義務の対象外となる場合でも、元請事業者による事前調査、記録、発注者への説明などは必要です。
POINT80平方メートルは『調査をするか』ではなく、『結果を行政へ報告するか』の基準です。
02
調査は、一定の要件を満たす人が行う
建築物の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者など一定の要件を満たす人が行います。一戸建て等石綿含有建材調査者は、一戸建て住宅と共同住宅の住戸内部に調査範囲が限られるため、建物の種類と調査範囲に合う資格かを確認します。
見積書に『石綿調査』とだけ書かれている場合は、調査会社名、調査者の要件、調査範囲、調査日、結果報告書の受取方法を質問します。現地調査をした営業担当者と、法令上の事前調査を行う人が同じとは限りません。
03
文書調査と目視調査を、両方行う
文書調査では、設計図書、竣工図、改修記録、建材の商品名・製品番号、建築時期などを確認します。図面がない場合でも調査を中止するのではなく、現地の目視調査で使用建材を網羅的に確認します。所有者は、手元にある図面や改修履歴を元請事業者へ渡します。
目視調査では、仕上げ材だけでなく、その下地や設備周辺など、解体する部分に使われた材料を確認します。見えない箇所がある場合は、いつ、どのように確認するかを調査結果へ残します。建物の建築年だけで、個々の建材が石綿を含まないと断定しません。
| 工程 | 確認する内容 | 施主が用意・確認するもの |
|---|---|---|
| 文書調査 | 図面、改修記録、建材情報、着工時期 | 手元の図面・工事記録を提供 |
| 目視調査 | 現地の全材料、製品名、施工状況 | 調査範囲と立入できない場所を確認 |
| 判定 | 無・有・みなし・分析の整理 | 建材ごとの結果と根拠を受領 |
| 説明・記録 | 発注者説明、掲示、記録保存 | 結果書面と追加対応を確認 |
04
分析と『含有とみなす』対応を区別する
文書と目視だけで石綿含有の有無を判断できない建材は、試料を採取して分析するか、石綿を含むものとみなして必要な対策を行う方法があります。どちらを選ぶかは、建材、工法、費用、工程を踏まえて元請事業者から説明を受けます。
分析費だけを見るのではなく、採取する箇所数、分析方法、結果が出るまでの日数、含有だった場合の除去・処理方法を確認します。施主の承認なく分析箇所や除去範囲が増えないよう、追加見積りと承認の順序を決めます。
| 項目 | 目的 | 見積りで確認すること |
|---|---|---|
| 事前調査 | 全材料の含有有無を調べる | 調査範囲、調査者、結果書面 |
| 分析 | 判定できない試料を測定する | 検体数、単価、納期、採取費 |
| 結果報告 | 一定規模の工事を行政へ報告する | 対象か、担当者、提出控え |
| 除去・処理 | 含有建材を適切に撤去・処理する | 工法、範囲、養生、処分、追加費用 |
05
報告対象と、施主への説明を分けて確認する
建築物の解体部分の床面積合計が80平方メートル以上の場合、元請事業者は事前調査結果報告システムで労働基準監督署と都道府県等へ報告します。報告対象外の規模でも、事前調査を実施し、結果を記録し、作業場所へ備え付けるなどの対応が必要です。
大気汚染防止法に基づき、元請事業者は事前調査結果を書面で発注者へ説明します。施主は、『石綿なし』という結論だけでなく、調査した範囲、建材ごとの判断、分析・みなしの有無、含有建材がある場合の作業方法と費用を確認します。
06
石綿が見つかったら、工法と工程を再確認する
石綿含有建材があることは、直ちに建物全体が危険という意味ではありません。問題は、解体や切断で粉じんが発生する作業を、建材の種類と状態に合う方法で管理することです。元請事業者から作業範囲、隔離・湿潤化などの対策、廃棄物の扱い、近隣への説明を確認します。
石綿含有吹付け材など、作業内容によっては工事開始前の計画届出等が必要になります。該当する場合は、着工予定をそのままにせず、必要な届出、作業日程、費用、完了記録を更新します。施主は専門的な施工判断を代わりに行うのではなく、説明と書面がそろっているかを確認します。
CAUTION石綿の有無や作業レベルを写真だけで自己判断しないでください。実際の建材と作業方法は、要件を満たす調査者・施工事業者へ確認します。
07
見積りでは、未確定の費用を見える状態にする
契約時点で分析結果が出ていない場合、石綿除去費を確定できないことがあります。そのときは、事前調査費、分析の検体単価、報告費、含有時の追加見積り条件を分けます。『石綿対応一式』だけでは、何を含み、何が別途かを判断できません。
複数社を比べる場合は、各社が同じ建物範囲を調査対象にしているかを確認します。調査費が安く見えても、分析、行政報告、発注者説明、除去がすべて別途なら総額は変わります。金額だけでなく、判定できない箇所への対応と事前承認のルールを比較します。
08
施主は、調査に必要な情報と時間を確保する
施主は、元請事業者が適切に調査できるよう、図面、改修履歴、過去の石綿調査結果など手元の情報を提供します。鍵がなく入れない部屋、荷物で確認できない壁や床、危険で入れない場所がある場合は、調査前に伝えます。
見積り比較を急ぐあまり、事前調査結果が出る前に確定工期や最終金額を決めると、後から条件が変わりやすくなります。調査、必要な分析、結果説明、追加見積りの確認が終わってから、最終的な工事条件を整えます。
公的資料・確認先
根拠確認日:2026年8月8日

